ミズホメディーにIRに関する問い合わせをしてみた
カブリエルです。ミズホメディー(4595)という企業についていろいろ調べ、これまで2つブログの記事にしてきました。
ミズホメディーの2021年12月期第3四半期決算予想についての記事
予想した決算と実際の決算を比較して株価上昇のために必要なことを考えてみた
今回はIRに関するお問い合わせを利用して私が疑問に思ったことを教えていただいたので、その内容について記事にしています。ぜひご覧ください。
前情報
ミズホメディーは売り上げの半分以上がインフルエンザの検査薬でしたが、新型コロナウイルスの蔓延によりその売り上げが激減してしまいました。しかし、新型コロナウイルスの検査薬を開発・販売したことによって2021年は過去最高益を達成することがほぼ確実です。そうであるにもかかわらず株価は軟調です。おそらくコロナ特需の一発屋という市場の評価と、企業の知名度の低さが株価軟調に拍車をかけているような気がします。東証2部というマイナーな市場に所属しているため仕方のないことかもしれませんが、知名度を向上させたいという思いもあってこの企業について情報発信しています。
さて、新型コロナウイルスの陽性かどうかを判定する検査は大きく分けて2種類あります。1つ目がPCR検査、2つ目が抗原検査です。私は専門家ではないので詳しいわけではありませんが、PCR検査は遺伝子、抗原検査はタンパク質で検査を行う違いがあるそうです(違っていたらごめんなさい)。今現在PCR検査に注目が集まり検査が行われているのはPCR検査のほうが精度が高いためです。ミズホメディーはPCR検査ができるスマートジーンという全自動遺伝子解析装置と抗原検査ができるクイックチェイサーimmunoReaderⅡという感染症迅速診断システムがあります。スマートジーンについては以前の記事で紹介しているのでそちらをご確認ください。今回注目したのはクイックチェイサーimmunoReaderⅡです。
問い合わせ内容と回答
今回クイックチェイサーimmunoReaderⅡに注目したのは理由があります。新型コロナウイルスもインフルエンザのようになっていくのではないか、と考えたからです。新型コロナウイルスは変異を繰り返すたびに弱毒化しているようですが感染力が強いです。重篤化しにくいとはいっても感染力が強いウイルスを何の検査もせずに放置するという未来になるとは思えません。そう考えると今後も検査の需要は継続するのではないかと思います。ただPCR検査は判定するのに時間がかかるという欠点があります。スマートジーンは1時間と短時間ですが、抗原検査は15分とさらに短時間です。そのため今後効率や手間を考慮すると抗原検査が主流になっていくのではないかと思います。
決算短信を確認していたところスマートジーンの販売台数やそれ専用の新型コロナウイルスの検査薬の出荷数について明記されていました。スマートジーンは2021年第3四半期決算(9月末)までに累計約4,000台販売され、新型コロナウイルスの検査薬は99万テスト出荷されました。しかし、クイックチェイサーimmunoReaderⅡの販売台数とそれに使える新型コロナウイルスの検査薬の出荷数について明記されていなかったのです。今回この点について問い合わせを行いました。
①クイックチェイサーimmunoReaderⅡの販売台数
回答:累計販売台数は約5,000台。
②クイック チェイサー Auto SARS-CoV-2(クイックチェイサーimmunoReaderⅡで使用できる新型コロナウイルスの検査薬)の出荷数
回答:9月末時点での出荷数は約33万テスト
ということでした。クイックチェイサーimmunoReaderⅡは2018年に販売開始しています。もともとこの機器はインフルエンザやマイコプラズマなどの感染症を検査するためのものなので、新型コロナウイルスの検査薬として使用するためにどの程度購入されたのか知りたかったのですが、この点については回答は控えるということでした。ただ、クイック チェイサー Auto SARS-CoV-2が約33万テスト分出荷されているということは新型コロナウイルスの検査目的での需要があったと考えていいかと思います。スマートジーンやクイックチェイサーimmunoReaderⅡが売れれば売れるほど検査薬の需要も伸びる、いわゆるストックビジネスのようなものと考えてもいいのかもしれません。
最後に
ミズホメディーという企業について興味を持ってからいろいろ調べました。調べれば調べるほど素晴らしい企業だという思いは強くなっています。ただし、株価は2021年12月期第1四半期決算での急落、2021年12月期第2四半期決算での急騰、2021年12月期第3四半期決算での急落とジェットコースターのように動き決算でのボラティリティが激しくなっています。2021年12月期第2四半期決算での急騰の際に利益確定をしなかったせいで利益を握りつぶすという痛恨のミスをしています。また、例え決算が良くても株価が上昇するとは限らないというところもこの銘柄の難しいところです。2021年第3四半期決算では上方修正を発表したのにもかかわらず株は売られ株価は10%以上下落しました。新型コロナウイルスの感染者が少なくなっていたこともあり材料出尽くしで売られてしまったのだと思います。さらに2021年12月には新型コロナウイルス検査の保険点数の引き下げがあり株価は急落しました。そういったリスクがあるということも頭に入れておかなければなりません。前のブログにも書きましたが、この銘柄は配当をもらいながら長期で現物保有するのが最適だと思います。今後もこの企業に注目していき、いつか市場から正当な評価がされることを願っています。
参考までに
ちなみに2月10日に2021年12月期決算発表があります。厚生労働省がPCR検査の実施検査数を公表していますが、感染者が減った10~12月のPCR検査数は感染者のピークだった7~9月のPCR検査数の6~7割程度の検査数となっています。実はPCR検査数はそれほど減っていません。2021年第3四半期決算ではスマートジーンの新型コロナウイルス検査薬の出荷数を18万テスト見込み(ピーク時は41万テスト出荷)で上方修正されていたので、さらなる上方修正があるのではないかと予想しています。上方修正があれば2021年12月で権利確定した配当も95円予定からのさらなる増配を期待しています。ただし、上方修正と増配を発表しても株価が上昇するとは限らないところが株の難しいところです。
メモ
上場後のインタビュー記事。
有望な遺伝子検査の開発で売上高100億円を目指す──株式会社ミズホメディー 代表取締役会長兼社長 唐川 文成 | ジャパニーズインベスター | 投資家ネット
売上高100億円は2021年に達成することがほぼ確実。
東証一部への市場変更を目指す。市場再編だとプライム市場。今のところスタンダード市場を選択。
株主還元は配当性向30%を守る。大きな利益がでれば配当性向50%もあり得る。
2018年の記事
福岡県久留米市に9億円かけて新工場を建設し、すでに稼働済み。
新型コロナウイルス抗原検査キット特集
https://www.mediceo.co.jp/poc_web/lib/idpoc/idpoc2021.pdf
クイックチェイサーimmunoReaderⅡはメーカー希望価格45万円。
クイック チェイサー Auto SARS-CoV-2は10テストでメーカー希望価格14,000円。
ちなみにクイックチェイサーimmunoReaderⅡは富士フイルムと共同開発しており富士フイルムからも同じような製品が販売されている。本体の価格は同じだが、抗原キットは10テストでメーカー希望価格60,000円とミズホメディーのほぼ4倍の価格となっている。
新型コロナウイルス検査薬の生産の上限は月に15万テストほど。
最後までご覧いただきありがとうございました。当ブログでは、個別の銘柄などについて言及することがありますが、売買の推奨等を目的としたものではありません。最終的な投資決定はご自身の責任において判断されてください。
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